公正取引委員会は2011年6月14日、新たな企業結合ガイドラインを公表した。改正の主なポイントは、①事前相談制度の廃止、②審査期間の短縮、③世界(又は東アジア)市場の画定の考え方の明確化にある。
事前相談制度に関しては、従来から非公式な手続きであり手続きの透明性を欠く、審査にかかる時間の見通しがつきにくいなどの批判があった。公取委は、これらの批判に対応し事前相談制度を廃止したものと考えられる(但し、届出予定会社が届出書に記載すべき内容に関連した相談を公正取引委員会に行なった場合には、届出前相談(任意)として説明を行なうとしている)。
世界(又は東アジア)市場については、「ある商品について、内外の需要者が内外の供給者を差別することなく取引しているような場合には、日本において価格が引き上げられたとしても、日本の需要者が、海外の供給者にも当該商品の購入を代替し得るために、日本における価格引上げが妨げられることがあり得るので、このような場合には、国境を越えて地理的範囲が画定されることとなる。例えば、内外の主要な供給者が世界(又は東アジア)中の販売地域において実質的に同等の価格で販売しており、需要者が世界(又は東アジア)各地の供給者から主要な調達先を選定しているような場合は、世界(又は東アジア)市場が画定され得る」としている(企業結合ガイドライン第2・3(2))。
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